雇用ベースで永住権を申請する場合、優先順位(プライオリティーデート)が有効な場合、I-140(資格申請)とI-485(永住者への変更、アジャストメント)の両方の申請を同時に提出することが可能です。I-140とは、申請者が条件を満たしているかどうかの審査であり、I-485は永住者としての資格があるかどうかの審査です。
同時申請のメリットは、手続きが早いことです。当時にプロセスされるので、資格が認められれば、1年ぐらいで永住権が発給されます。もう一つのメリットは、I-485提出後、数ヶ月で就労許可証、1年近くで一時渡航許可証ががもらえます。家族にも発行されます。
デメリットは、I-140が却下された場合、I-485が無駄になります。具体的には、費用です。I-485の申請料の他、健康診断なども提出しないといけないので、それらの費用が無駄になってしまいます。I-140の申請時は家族の申請も不要ですので、I-485と比較してそれほどコストはかかりません。従って、I-140がほぼ確実に許可されるのであれば、同時申請のリスクも少ないですが、厳しいケースの場合は、費用的なリスクが高くなります。ただし、I-140申請時にPremium Processing(特急申請費用)を支払えば、通常2か月弱で結果がわかることになりますので、時間的デメリットはそこまで大きくありません。
E、O、PビザなどH、Lビザ以外の就労ステータスで滞在中の方は、個別申請のお手続で行うことを強くお勧めいたします。I-140移民申請とアジャストメントを同時申請した後は提出後国外への出国ができず、またI-140が却下された時点で合法滞在ステータスを失い、強制送還の手続きに入る恐れがあります。そういったリスクを軽減するため、個別申請にてI-140の許可を取得した後、国外への出国の予定などを考慮してI-485アジャストメント申請を行うといった手続きが安全です。